医療ミス、1億円で和解へ 福岡市、新生児障害めぐり
(共同通信社)
何気なく医療関係のメルマガを読んでいると医療訴訟の記事がいくつかあった・・・
昨日、産婦人科は医療訴訟が多いという記事を書いたばかりなのに・・・(−−;
さっそく産婦人科関係の訴訟のニュースを見つけた!!
しかも私が住んでいる福岡市です(T_T)
これか記事です。
↓
福岡市は8日、市民病院の医療ミスで新生児が脳性まひ(※1)になったとして、
約2億6000万円の損害賠償を請求された訴訟について、原告に約1億1500万円を支払うことで和解する方針を決め、市議会の了承を得る手続きを始めた。
市は「判決を求めても勝訴は難しいと考え、裁判所の和解勧告に従うことにした」
(保健福祉局)と説明している。
同市の男児(11)と両親が「出産時に陣痛促進剤(※2)を過剰に投与された結果、
男児が仮死状態で生まれ、障害が残った」と2005年1月、福岡地裁に提訴。
実際に過剰投与だった可能性を示す第3者の鑑定結果が出た後、地裁が昨年12月、
金額を示して男児側と市の双方に和解を勧めていた。
市議会が了承すれば26日に正式に和解するという。
裁判だから勝ち負けがあって当然なのかもしれませんがなんかシックリしません。
私は子を持つ親なのでこの親の気持ちもわかります。
しかし、私は子を持つ親であり医療者でもあります。
すごく複雑な思いですね・・・
この医者はわざと陣痛促進剤を過剰に投与した訳ではないと思いますが
結果それが原因で障害が残ったのであればミスはミスです。
機械を修理していて壊れてしまったら弁償すればすむかもしれないが
医療の現場でミスがあってはいけません!!
人間はロボットではないのでミスを犯す動物です。
でも、ミスが実際に起きる前に発見しなくてはいけません!!
私たちの永遠の課題です。
※1 脳性まひ
脳性まひとは-------脳の損傷による運動面の障害
脳性マヒは「発達途上にある未熟な脳の、非進行性病変(生後四週まで)に基づく、
永続的な姿勢および運動の異常」と定義されています。
脳の損傷による症状は、運動、知的能力、てんかん、行動面など多岐にわたりますが、
脳性マヒは、特に運動面で障害のあるものに対して使われます。
※2 陣痛促進剤
「陣痛促進剤」と呼ばれるお薬には次の二種類あります。
(1)オキシトシン
分娩間近の妊産婦様の鼻の奥、脳の最下部である脳下垂体と呼ばれる部位から
分泌されるホルモンです。
選択的に子宮の筋肉や、乳房の筋肉に作用して、陣痛を起こしたり
射乳を起こしたりします。
(2)プロスタグランディン
身体のなかで自然に創られるホルモンです。筋肉に直接働きかけて筋肉が収縮する力を
強める働きをします。
子宮の筋肉に作用させれば陣痛を起こしたり陣痛を強めたりします。
これらはいずれも 自然な分娩・出産のためにお母さんの身体の中で創られて子宮に作用し、
分娩・出産を進めるために必要不可欠なホルモンなのです。
ですから「陣痛促進剤」と呼ばれているお薬そのものは 特に身体に危険なものではありません。
使う必要もないのに濫用したり、過剰に使用した時、あるいは稀に特異的に過剰反応を起した時などに
お母さん(母体)や赤ちゃん(胎児)に危険を及ぼす可能性が出てきますが、これらを上手に使う事は
逆にお母さんや赤ちゃんの安全のために必要なことでもあるのです。